連続の式
点 xt∈Rd の運動が以下のように表されるとする:
dtdXt=vt(Xt),X0∼P0.
ただし、vt:Rd→Rd は滑らかなベクトル場であり、P0 は初期分布を表す確率測度である。
Xt の分布を Pt とし、密度 pt が存在するとき、連続の式が成り立つ:
∂tpt(x)=−∇⋅(pt(x)vt(x)).
導出
任意のテスト関数 f:Rd→R に対し,
∫f(x)∂tpt(x)dx=dtd∫f(x)pt(x)dx
一方,写像 ϕt:Rd→Rd を
ϕt(x0)=x0+∫0tvs(ϕs(x0))ds,∂t∂ϕt(x0)=vt(ϕt(x0)),
と定義すると,
dtd∫f(x)pt(x)dx=dtd∫f(x)Pt(dx)=dtd∫f(x)ϕt#P0(dx)=dtd∫f(ϕt(x))p0(x)dx=∫⟨∇f(ϕt(x)),dtdϕt(x)⟩P0(dx)=∫⟨∇f(ϕt(x)),vt(ϕt(x))⟩P0(dx)=∫⟨∇f(x),vt(x)⟩ϕt#P0(dx)=∫⟨∇f(x),vt(x)⟩pt(x)dx=∫⟨∇f(x),pt(x)vt(x)⟩dx=(a)−∫f(x)∇⋅(pt(x)vt(x))dx
ここで、(a) は後述の部分積分公式を用いた。
よって
∫f(x)∂tpt(x)dx=−∫f(x)∇⋅(pt(x)vt(x))dx
f の任意性より
∂tpt(x)=−∇⋅(pt(x)vt(x)).
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部分積分公式
テスト関数 f:Rd→R と滑らかなベクトル場 ψ:Rd→Rd に対し、以下のような部分積分公式が成り立つ:
∫⟨∇f(x),ψ(x)⟩dx=−∫f(x)∇⋅ψ(x)dx.
証明
∫∇f(x)Tψ(x)dx=i=1∑d∫∂if(x)ψi(x)dx=i=1∑d[f(x)ψi(x)]xi=−∞xi=+∞−i=1∑d∫f(x)∂iψi(x)dx=−∫f(x)=∇⋅ψ(x)i=1∑d∂iψi(x)dx=−∫f(x)∇⋅ψ(x)dx.
ここで、f はコンパクトサポート関数より xi=−∞ および xi=+∞ のとき f(x)=0 であることを用いた。
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References